第一章 淡き青と淡き海

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「ええと、左雨と榛名、専門は何?」  まず、玄関を修理しないと、 俺にも百武の怒りが炸裂してしまう。 「俺、左雨は経理」 「俺が榛名で、資材調達が専門です」  このヤンキーな姿で、素行の悪さで、後方支援でS級なのか。 でも、黒須の選択は誤っていない、 鬼同丸にはこの人材は必要不可欠なのにいなかった。 「黒髪!」 「榛名です」  穏やかな好青年だが、容赦なく玄関を破壊してくれた。 「金髪!」  「左雨です。ああ、玄関を治せですよね……」  金髪で釣り目、どこか素行は悪い左雨でも、 馴染みは早かった。 「あの、数人借ります。寺内、的場、手伝って」  大工仕事が得意な二人の、名前まで把握していた。 多分、新人を含め、全員の特徴を覚えているだろう。 もしかして、 俺を除き、全員を把握しているのかもしれない。
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