第一章 淡き青と淡き海

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「大和、時季、響紀。ここに直れ!」  百武がキレた。  素直に玄関に正座すると、百武の説教が続く。 「頭領代行が、玄関を壊すとかしないでください! そもそも、新入り?どこに入れるつもりでしたか!」  そこに、又、素行の悪そうな来訪者が来ていた。 真っ黒な着物に、番傘。 「あ、渋谷さん」  左雨が、にこやかに手を振っていた。  渋谷というのは、確か、鉄鎖の黒の組頭であった。 渋谷は、俺達の時代の頭領ではないので、 一緒に仕事をしたことはないが、腕はいいと評判であった。 「二人、こっちに来たと聞きましてね。俺に無断で」 「おい、左雨、榛名。黒だったのか?」  二人が首を振っていた。
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