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「俺、鉄鎖の黒では、下っ端だったよ」
一応、訂正しておく。
鉄鎖の時から、特S級ではあったが、上位ではない。
「特S級でしょう。
まあ、外様の差別が酷い時代でしたからね。
でも、技量的には歴代トップクラスですよ。
それが、三人揃っている。うらやましいですよ」
朱色の半纏は、鉄鎖の文字が入っていた。
S級に昇格の祝いで渡す前に、二人が去っていたのだそうだ。
「鉄鎖の技を、一番技として使用できるのが、鉄鎖ではないというのが、
悔しいですよね」
黙って見ていた、時季が間に入ってきた。
「あんまり、ウチの頭領代行に喧嘩をふっかけないでね。
そろそろ、俺もキレそうだしね」
「そうだよね。俺が組頭の時に三人が居たら、絶対に手放さなかったよ。
そういう思いで、こいつらも育てたのだけどね……」
鬼同丸は外部の人間も多い。偏見はあるが、差別はない。
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