60人が本棚に入れています
本棚に追加
/306ページ
「亜空間を持っていない者は、空いた時間に俺の所に来てくれ。以上」
解散すると思ったが、御卜と源が、じっと俺を見ていた。
そう言えば、俺は銀狐に亜空間を渡していない。
「どうぞ」
まず相性をみるかと、
食べようとしたスルメイカを口に咥えた。
腕まくりをすると、腕を掴めと指で指示してみた。
「いだだだ、強く掴まなくてもいい!」
軽く掴ませて、亜空間を渡す。
「……どこかおかしくはないか?」
源が、俺を見ていた。
もしかして、俺がおかしいとでも言いたいのか。
「いいえ。不思議だなと思いまして。
大和さんの目が、今、暗闇に見えました」
暗闇?
「……源、俺の亜空間では、暗闇がない。
暗闇は孝太郎に飲まれたから……これ以上、俺の亜空間は渡せない。
源が孝太郎に飲まれてしまう。
でも、今の量で通信だけはできるだろう」
暗闇を見てしまうケースもあったか。
最初のコメントを投稿しよう!