第二章 淡き青と淡き海 2

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「御卜?」  御卜が、恐る恐る俺の腕を掴む。 俺が亜空間を渡すと、御卜はほっと溜息を付いた。 「暗闇ではなく、人の姿を見ました」  いや、光だけでいいのだけど。 「どんな?」 「俺によく似た感じの人で、まるで、兄のようでした」  四羅なのかもしれない。 任務で死んでしまった兄貴分、 遺体を運ぶ時に亜空間に入れ、そのまま消滅してしまった。 「まさか……」  御卜は、四羅によく似ている。 まさか、親子ではないのか。 でも、御卜が生まれた時には、四羅は既に死んでいたはず。  必死に可能性を考えてみた。 孫と言っても、やはり年齢が合わない。
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