第二章 淡き青と淡き海 2

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「……御卜、相性が良すぎて、逆に亜空間を渡せない。 俺が量をコントロールできない」  こんなこともあるのか。 俺が、僅かに亜空間を渡そうとしても、雪崩れるように亜空間が移動する。 「苦戦しているね。大和にしては珍しい。 生まれつきのゲートキーパーなのにね」  響紀が笑う中を、 歩いてきた心吾が、真剣な顔で俺の腕を掴んだ。 「引きずられていますよ。 今のは、相性が良いとくくるのではありません。 流し過ぎれば、取り込みますよ」  その一言で、響紀と時季も、状況を理解したらしい。 「御卜、鬼城に戻ったら、鬼城の頭領に面会を求める。 そこで、鬼城の亜空間を貰い受ける」  他の亜空間があれば、拮抗するので、取り込みを防げるかもしれない。
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