第二章 淡き青と淡き海 2

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 名前に数字を付けるのは、鬼城の習わしであった。 俺の名前は、大和のままであったが、 意味的には大十でやまとであったともいう。 俺の前に六沙がいたが、 八慧(やえ)九重(くえ)という双子の女性もいた。  養子と混ぜて、兄弟と同等に扱う。 しかし、外の星から来た俺は、 結局、鬼城では浮いていたような気もする。  七は誰であったか。 気になってきたが、会った憶えが全く無い。  孝太郎は、そういえば数字がない。 鬼城にも、何か理由があるのかもしれない。 「俺が、ビナマナカハナに降りる。後を頼む」  棺桶に機材を積み込み、宇宙から飛び込む。 シェルターは表面が成層圏も越えられるように出来ていたが、 かなり溶けてしまうだろう。 使い切りのものと考えた方がいい。
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