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ボートに空気を入れていると、機材の半分が沈んでしまっていた。
「潜って取ってくるか……」
しかし、暗くてよく見えない。
残った機材を確認すると、溜息をつく。
これでは、仕事が続行できない。探知機の類が失われていた。
「潜るか……」
口にライトを咥えて、服を脱ぎ捨てると、
少し光が射してきた。
「待って」
どこから声が聞こえた。
周囲を見回すと、ボートのようなものが、一艘浮かんでいた。
何もないと確認して降りたのだが、
こんな小さな船には気付いていなかった。
当たらなくて良かった。
「もうすぐ、夜が明けるから」
ずいぶん幼い声であった。
日が出てきて改めてみると、
船に乗っていたのは、少年であった。
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