第二章 淡き青と淡き海 2

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 家の後ろには、数本の木も立っていた。 「俺の家だよ」  確か浮島でも、数百の人数単位で住んでいると資料にはあった。 この浮島、家が一軒しかない。 「一軒?」 「漁に出ているから一軒。 漁が終わると、家ごと皆の島に帰るからさ」  船を島の木に縛ろうと、浮島に降りてみると、 ふわふわとしていた。 「船は木に縛らないでね。木は宝物だから、大切にしている。 杭が出ているから、そこに縛って」 「分かった」  家の後ろに、ヤギもいた。他に鶏もいる。 ソニアの中にも、同じ生物がいるので、どこか親しみがわく。 「兄貴と住んでいる。 兄貴はちょっと無口だけど、すごく頼れる人だよ。 話しをきかせて」  家の中に入ってみると、結構広く、中庭もあった。 中庭には、幾種類かの花が咲いていた。 壁が全て白いので、花の色が引き立つ。
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