第二章 淡き青と淡き海 2

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「中庭は、子供のためのものだよ。 海で亡くなる子供は、どこも多い」  俺が中庭に出てみると、ガラスのない窓から、 少年が俺を見ていた。 「同じ年くらいだよね?何歳なの?名前も教えて欲しい」  同じ年ではないだろう。 「年は二十二歳。名前は大和」 「あ、俺よりも年上なんだね。すごく幼く見えた。 俺は二十一歳、名前はトーヤ」   そっちが二十一歳というのに、驚いた。 十代にしか見えない。 「待っていて、中庭で朝食にしよう!」  中庭に咲いた花は、四方を壁に囲まれ、風から守られているのか。  小さなテーブルを持ってきたトーヤが、 花の中に入って行った。
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