第三章 君のいる島

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 同時に回収できそうもないので、一個ずつ回収してゆくしかない。 「響紀。深さと大きさは分かりそう?」 「もう少し近寄らないと、大きさが出ないけど、 深さは千メートルあたりだね」  金属探知機は、遠方まで測定していると機材が大きくなるが、 近場ならば小型でも大丈夫であった。 小型を組み、潜ってみるか。  機械を組み、潜ろうとすると、 もう少しで夜という時間になってしまった。 どう波が変わるのか分からない。 危険を回避するために、潜らない方がいいだろう。 朝を待って潜ろう。  波の動きを見ていると、波の間から船が見えた。 「大和、もうすぐ夜になる。急いで帰ろう」  五百キロメートルほど、離れていた筈であったが、 トーヤが船で来ると、俺の船を繋いだ。
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