第一章 淡き青と淡き海

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「そうだな、行ってみるか」  町の大通りに、鉄鎖の本部がある。 修行などは支部で行うので、本部は事務処理のために存在している。 しかし、本部に鉄鎖の頭領が居ることが多い。 「こんにちは。鬼城大和です。頭領はいますか?」  鉄鎖の組に顔を出してみると、 鉄鎖の頭領の黒須(くろす)が相手をしてくれた。 「はいはい、何ですかね。 ここでは邪魔でしょうから、座敷にあがってくださいな」  店頭では、仕事の邪魔になるらしい。 「黒須さん。 S級で外様で成人を迎える人がいたら、鬼城で引き取りたいのですが」 「了解ですよ。 但し、こちらも欲しいものがあるのですよ。話は奥で」  鬼城の星は、基本、江戸であった。 鉄鎖の組は、まるで昔の商人の屋敷であった。 問屋とも感じる。 帳場が表にあり、各種、仕事の道具も売買していた。 皆、和服で、しかも、そろばんを持っている。
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