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「夜は冷えるから、室内に居た方がいい」
冷えると言っても、凍える程ではないだろう。
「上着があるから、大丈夫」
それでも、トーヤは俺の腕を離そうとはしない。
「病気になっても、ここには医者がいないから、部屋に入って」
医者ならば、当麻がいる。
「俺、夜目が利くから、夜に眠っていない。
だから、手を離して」
トーヤは首を振っていた。
「ダメ。夜はダメ」
何か事情があるのだろうか、
これ以上口論するのも無駄かと、俺は引かれるままに部屋に入った。
「……俺は十一人兄弟で、六番目。
上の三人は波に飲まれて死んだ。
夜に爆音がきて、巨大な波が浮島を飲んだ」
もしかして、実験船が落ちた時なのか。
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