第三章 君のいる島

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 ここには、客間があるのだろうか。 中庭で寝てみようかと考えていると、 トーヤが部屋に入れてくれた。 「俺の部屋」  船から毛布を持って来れば良かった。 羽毛布団ではあるが、これは鶏だろうか。 「一緒に寝よう」  腕を引かれてベッドに横になると、思いのほか心地よかった。 「温かい」  どういう仕組みで、温かいのだろうか。 まるで、風呂に入っているようであった。 「俺の傍にいれば、温かいよ」  トーヤの周囲の空気が、温まっているのだ。 「本当だ。おやすみ、トーヤ」  二時間ならば、寝てしまおう。 トーヤと逆の方向に転がり眠ってみると、 トーヤが俺の背から抱き込んでいた。
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