第三章 君のいる島

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「おやすみ、大和」  この温もりならば、毛布はいらない。 いつの間にか爆睡していると、朝になっていた。 「大和、朝食は、チーズと魚だよ」  食べるか?と聞かずに、中庭に用意されていた。 「朝食が終わったら、昨日の場所まで連れてゆくよ。 でも、また迎えに行くからね」  そこまで面倒を見て貰う由縁はない。 「トーヤ、もう充分だよ。ありがとう。 後は自分で何とかするから、俺に構わなくてもいいよ」  トーヤは無言で、魚を丸ごと食べた。 そして、俺を睨んでいた。 「本当にありがとう。でも、俺も仕事があるから。 ごちそうさま」  席を立って、中庭を出る。 浜に出ようとした時に、急に波が荒くなった。 そのまま、船を出そうとすると、トーヤが船を引きとめた。
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