第三章 君のいる島

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トーヤは船のロープを掴むと、又、杭に縛り付ける。 「この星の雨は、海に出たら危険」  波が荒れると、雨が来るという。 トーヤが、葉のようなものを島中に並べ、その先を池に導く。 雨水を集めるのだろう。  浮島が大きく揺れ出すと、雨が降り出した。 パラパラとした小降りであるが、浮島は大きく揺れる。 「船では危険」  部屋に入っていても、床に転がる程の揺れであった。 「トーヤの兄さんは大丈夫なの?」 「兄、シナイか?シナイは親島に戻っているから平気だろう。 漁をして、ここに魚を置き、親島に戻る」  魚が貯まってくると、島ごと親島に行く。 魚を降ろすと、又、漁に出るのだそうだ。 兄と住んでいると言っても、兄は常備居るわけではないらしい。
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