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「そうか……大和は妻とか恋人はいるのか?」
「妻はかつていたけど、捨てられた」
トーヤが、急に俺の方を向いた。
「こ、子供はいるのか?」
「二人居たけど、妻が育てた」
過去形だ、
二十三年も行方不明になっていたので、
その間に子供は大人になってしまっていた。
「そうか……」
トーヤが、窓辺で疲れたように座り込むと、笑顔になった。
「ならば、俺と結婚できるな」
どういう意味なのであろうか。この星のルールは分からない。
「どういう意味?」
「ここは女性がすごく少ない。
だから、一生に渡っては、同じ女性とは結婚できない。
子供を造ったら別れる。
で、二人子供を造ったら、男はもう女性と結婚しなくてもいい」
すごいルールがあるものだ。
でも、すると、このトーヤにも子供がいるのか。
とても、子供がいるようには見えない。
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