第三章 君のいる島

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 海藻の根には、砂が大量についていた。 編んだ海藻が出来ると、沈めて一番下にするのだそうだ。 上の海藻は真水に晒され、植物が育つようになる。 「砂は貴重で、物々交換の対象にもなる」  砂で、浮島と交換してくれないものか。 編んでゆくのは、気が遠くなる。 「俺、浮島が欲しいよ。 砂と海藻は交換してくれるかな?」 「浮島は無理かもしれないが、 編んだだけのものなら、砂と交換できるよ。砂は海底のものね。 砂袋、十で編んだ輪を一つだよ」  輪という単位があって、 その単位は今の浮島が、ほぼ輪一つの大きさだそうだ。
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