第四章 南国と楽園

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「大和の船があったけど、姿が見えなくて心配した。 四時間は潜っていたよ……」  俺は、呼吸を常備していない。 シェリエという種族は、生粋に近い程、呼吸の量が減ってゆくのだ。 「ああ、俺、息が長いから」 「……そこまで長い人は初めてみたよ」  この星には、酸素ボンベというのも多分ないので、 驚かれてしまったかもしれない。 「昼飯、食べよう……」  トーヤの船に果物があった。 どこで採れるものなのだろうか、まだ新鮮に見える。 「砂と交換してきた」  俺は、トーヤに無理をさせているのではないのか。
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