第四章 南国と楽園

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「……俺はシェリエという種族で、生粋に近い。 食べ物も呼吸も、週に一回でもいい。眠るのもそう」 「シェリエは皆、そんなにきれいなの……?」  シェリエの姿、 姿は人と変わらないかと思う。 「人の種族だよ、シェリエも。姿は同じだろう」  トーヤが首を振っていた。 「すごく儚くて、夢みたいに消えそうな姿だよ。 きれいで、海にも空にも溶けそう」  どんな姿なのか想像ができない。 「でも、ありがと。俺、バナナは結構好き」  でも、このバナナは堅い。 そのまま食べるものではなかったのだろうか。 「浜が減ってしまったよね?俺の砂を足しておく。 俺、潜るのは平気で海底まで行けるから」 「それは分かったけど、今もかなり、流されていただろ。 相棒が必要ではないの」  相棒か、鬼同丸のシェリエは俺だけであったような気がする。 次に息が長いのは、袈裟丸であろうか。
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