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おれは遠いといっても2年くらい前の記憶を思い出した。
「先生って、河山時子でしょ」
「何のことだ」
「如月先生が言ってたから」
そのときおれが墓穴を掘った表情をしなければ良かった。
「先生と僕だけの秘密じゃないけど、言わないよ」
―約束ね。
「そのかわりデートしてよ」
わたしはデートをして勘違いされるよりも自分が甘々でにゃんにゃんな小説を書いているということにプライドが許せなかった。
それで二言で頷いたおれのクビが近づいた気がした。
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