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小説の件は絶対に張れない。
そう思っていたが、考えが甘かったのだ。
始めて受けおったクラスは二年生だった。
一年生を受け持つはずがどうしてもとおれに教頭は押し付けた。
問題児の多い東中学で特に手をやいたのが文月賢太(ふみづきけんた)だった。
「たまちゃんってさ彼氏いないでしょ。おれって言ってるけどそんなんじゃたまちゃん綺麗なのに勿体ないよ」
「おれは一応女だが一人の人間で個性だ。おれからわたしに変換したところで、サボり癖を直すなら考えてもいいぞ」
そう言っても彼はやはり遅刻やサボりをやめなかった。
こんなんで来年受験だなんてできるのだろうか。
悩みに悩んだ結果、ストレス発散の方法は決まっていた。
恋愛小説を書くことだ。
現実逃避くらいしたいときだってある。
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