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理恵は喫茶店を飛び出し、逃げるように涙を拭いがら走った。
雨が激しく地面を叩きつけている。
「ハァ……ハァ……」
疲れた身体が足を滑らせ派手に転んだ。
おめかしした洋服はドロドロになり、涙以上に降る雨が理恵を現実に戻す。
「傘……」
彼から貰った傘を忘れた事に気付く。
「戻らなきゃ……」
よろけながら立ち上がり、元来た道を引き返す。
彼がまだ喫茶店で待っていてくれると信じて……
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