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それは月に一回の楽しみ、憂さ晴らしの夜のことだった。
俺、日野健治と神道、春日の三人は高校で出会ってから10年以上の腐れ縁であり、俺たちの知る限り、最悪に不幸な三人組を自称していた。春日は2度の離婚、今やいつまでとも見えない借金の返済に追われて休みなく、昼夜問わずで働いてはいるが、いい奴だ。春日はとてもお人好しで素直な男だ。30過ぎた同級生の俺たちよりどう見ても若い雰囲気や顔立ちもきっと彼のそんな人柄の滲み出たものなのだろうが、故に一般に悪い女と言うようなものによくかかるのだろう。1人目の女性は女性側の不倫で別れたにも関わらず、春日はその子供の養育費を自らの意思で納め続けている。さらに言えば2人目に至っては結婚詐欺を初めから目論んでいたようだった。今日も俺と神道が金を出すことで久しぶりの安酒を楽しんでいるが、彼の夢はいつか自分の金で俺たちに安酒を奢ることだというのだからなんともさみしいものだと思う。
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