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人生とは灯りのない洞窟を一人歩み続けるに似る。一度疑心暗鬼をその身に宿せば己の両の足で立つこの地面さえ現実とは限らない事を少し前みた映画が語っていた。タイトルは覚えていないが、その世界観では確か、現実は機械の文明に支配され、人間は養殖の過程で電子世界を現実と認識された中で一生を始め、そして終わる。私の暮らすこの現実がそうだとは言わない。だが、それを完全否定する素材はこの世のどこにもない。1%以上の悪魔の証明を内包していて、しかもそれは無数に存在する。機械でなく、魔法の可能性、高度な文明を持った宇宙人、地底人、海底人はたまた四次元人か我々の認識にない世界のX人やもしれないそれが同様の事をしている可能性に至っては人類の進化の過程に未解明な進化の時期があるという意味で先の機械文明の1%より多少の真実味があるかもしれない。積み重ねればもしや50%さえ優に超えるかもしれない未知の世界の山々と本気で向き合えばそれこそ現実として証明できるものがいかに少ないかに時折気が狂いそうな思いを抱く。よもや齢80を超えた今となり、これほど世界を信じられなくなるなど誰が想像しただろう。だが、それもこれほどの未知が普遍的に周回する環境では至るべき結論だったのかも知れない。
私は今、名前も知らない施設に拉致されている。原因は分からないが、数年前、別の施設に時折連れ込まれる様になった頃から、もしかしたらこれは決まっていた事なのかもしれない。数年前の施設と今の施設での違いと言えば人や物など当然のものを除けば大きくはただの一つ、外界との完全な隔離状態くらいのものだろう。
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