おばはんの運転が憎い

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私の住んでいるところは、田舎。 山や川と、自然というと聞こえがいいが、 細い一車線の道が多く、信号はなく、バスや電車がなく、 交通の手段、生活の必需品が車である。 よって、軽自動車が田舎が多いのは、 車なんて走ればいい、燃費さえよければいい、安ければいい、 あとはちょっとかわいければ、いい。 という主婦が多いからだ。 大人なら一人に一台、車。バスなんてバス代がかかるわ、2時間に一本だわ、 冗談じゃない! というのが田舎の車社会である。 で、おばはんでも年寄りでも車をよく使う。 高速道路の逆走、コンビニでアクセルとブレーキの踏み間違い、 みな、地方。みな、年寄り。 話がそれた。 おばはんに対しての怒りである。 私は朝の通勤で、車で会社に向かうとき、 決まっておばはんの車と山際あたりですれ違う。 おばはんの顔はフロントガラスでよくわからないが、60歳台だと思う。 おばはんは地味な普通車で、私も普通車だ。つまり軽自動車ではない。 そのおばはんが細い一車線の道のど真ん中で走ってくるのだ。 道の左側に寄せる加減がわからないらしい。 だから、対向車がどけばいい、といわんばかりだ。 しかも、速度を落とさず、怖いからと止まることすらしない。 以前、そのど真ん中を走るおばはんの車を、なんとかギリギリ左側に寄せて走ったとき、 すれ違いにお互いのドアミラーがこすった。 それぐらいの近距離でありながら、おばはんは平然と、ぬけぬけと走る。 私の道は私の道、おまえの道も私の道、と、ジャイアンみたい。 道のど真ん中、長州力みたい。 道の王道、ジャイアント馬場みたい。 アタシは運転がへただ、だからお前がどけ、という態度に腹が立つ。 こういうおばはんは私が車を左に寄せても、 ありがとうの会釈も、プッと簡単なクラクションすらしない。 だから、なおさら腹が立つ。 田舎では、不思議とおばはん同士の事故がない。
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