「云々」を「でんでん」と読んで・・・怒る

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これは学生の頃の話だ。 国文学の講義で、教授がテキストをもとに学生に端から読ませていった。 とある学生が「云々」のところで読みがつまり、 しばらく間があり、「・・・でんでん」といった。 静まり返った教室の中、 教授がすかさず静かに「うんぬんです」と改めた。 教室は静かであったが、私のなかで「うんぬん」「でんでん」が交差し、うずまき 頭の中は大爆笑で、声に出せず、顔に出せず、私の頭が風船なら、 もう割れんばかりにパンパンだった。 で、なにが、これが怒りに結びつくかというと、 今私は漢字検定2級を勉強している。 あさって試験なのである。 後悔しているのである。 なぜ、私が漢字検定を受けるかというと、 実は私はハローワークに行っていた時期があった。 そこで、ただ求職者給付金が欲しいがために、 しかたなく(といってはいけないのだが)、受給資格を得るために、 しかたなく(といってはいけないのだが)、就職セミナーの研修に参加した。 その研修にでれば、求職活動実績になるからである。 参加して、ものの2時間ほど講師の話でも聞いていればいいや、と思っていたら 甘かった。 なんと、ここでも、テキストを参加者に読ませるではないか。 仕事を探してるどこか貧相な参加者(失礼)に緊張が走った。 本来、本当に仕事探しに困っているなら、 セミナーに参加してないで、面接の一つでも受けろよ! というなかでの参加者なので、みな給付金目当てだということはわかっている。 それを、見通しての講師の「この2時間、寝かせませんからね!」 という無言の叱責を感じたわけである。 で、テキストを参加者に読ませるに、「あ、この漢字、なんて読むんだっけ?」 というのがちょこちょこ出る。 不思議と参加者のみなさんはさらさらと読んで、私は驚いた。 むしろ、どうか私の読む番になりませんようにと、願ったわけである。 ここで、私は自分でさえ、漢字バカなのに、「云々」を「でんでん」と読んだ人を 笑えるのかと反省し、漢字検定にいたるのである。 が、たかが2級とあなどった私がバカでした。 ああ、どうしよう、難しい、2級は難しすぎる・・・ 試験、サボろうか・・・ああ。
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