大家族で人気ラーメン屋にくるな!

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旅行に行ってたときの話。 夕暮れ、おなかがすいたので、とにかくどこでもいいやと、 たまたま目についたラーメン店に入った。 U字型したカウンターだけの店内。 12、3人ほどはいれるお店だ。 私が注文したラーメンが運ばれて、さ、食べましょう、と 割りばしを取った瞬間、いつのまにかカウンターには客が座っていて、 私の向かいのカウンターの後ろに 立って待っているお客さんがずらーと並んでいた。 これは、驚いた。 ああ、結構な人気店だったんだ。 その、立って並んでいる正面に小学低学年の男の子がこちらを見ていた。 となりに園児の女の子がいて、兄弟らしい。 二人してじーっとこちらを見ていた。 そのとなりには若い夫婦がいて、どうやら家族4人で来ていたらしい・・・ が、旦那さんらしき人がそのまた隣の老人夫婦に話しかけている。 まさか、なんと、老夫婦、夫婦、子供二人の6人家族で来ていたのだ。 ラーメン店に来るなとは言わないけど、せめて、幸楽苑に行けよ! と思う。 で、正面にいる男の子が、こちらをひもじそうな目で見ていて、 私は、目を合わすのが嫌だから、丼ぶりを顔までもちあげて、 視線をさえぎりながら、 それこそ、この店のアルバイトがまかない食べるかのような速さで、 熱さで、鼻水と汗と涙でぐずぐずになりながら食べた。 なんでこんなことになったのだろう・・・ しばらくして、 「6名様、おまたせしましたー」 店員さんの声に、あの大家族がコールされた。 「あちらに3名様と、こちら3名様べつべつでおすわりください!」 店員さんの声に、若旦那は「え? 別れるの?」と意外な声でいった。 私はその様子を、 顔面、汗鼻水涙ドロドロ状態でぬぐいもせず見ていたが、 怒りがこみあげていた。 なんで、クソガキのために私が猛烈な速さで食わねばならず、 このバカ旦那は、ものの状況がわからないのだろう。 こうした店って、一人か、二人で来てる客がほとんどなのに、 なんで、大家族できたのだろう。
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