無理やり結婚式に呼ばれて怒る。

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長野県の実家の母から、 私宛の結婚招待状が来ているという連絡があった。 その送り主は、小学校、中学校と同級生で、 さほど、仲がいいというわけでもない、なんでもない同級生だった。 なんでもない同級生だから、当然、私が大阪で働いていることを知らない。 私は地元のその同級生の住所を知っていたから、 母には私から、直接手紙で本人にお祝いと出席できないことを書くよ、 と伝えた。 封書の大阪府の住所を見れば、 遠方の私の立場もわかるだろうと、思った。 数日がたち、その同級生の結婚式の日をすっかりわすれたある日、 母から電話があった。 夕方、その同級生の弟さんが見えて、 結婚式の引き出物をいただいたよ、というものだった。 食事の詰め合わせたお重もあったそうで、 まさに私が出席を前提にされていたことになっていた。 えー! だって出席しませんって、本人に手紙を出して知らせたのに? しらないよ。母の声に、食べられるものは勝手に食べてとお願いした。 もう!  翌日、私は阪急百貨店でお祝い物として1万円のオルゴール付木箱と、 ご祝儀の1万円を入れて、さらに改めて結婚おめでとうという手紙を添えて、 その同級生の自宅に送った。 あえて、結婚式の参加不参加が行き違いだのということは書かなかった。 が、宅配で送ったにもかかわらず、 私のいる大阪には、その同級生からは、なんの返事も結局こなかった。 だから、なんでもない同級生なのに。 なんだか、ご祝儀とお祝いの物品を贈って、 これほど損をしたという結婚式はない。 きっと、結婚式を終えたその同級生は、私が送ったお祝いを見て、 ふふふ、私って人望あるなー、 とその結婚相手に自慢の一つでもしたのかもしれない。
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