怒りのバイキング

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バイキング料理が嫌いな人などいようか? ホテルのバイキング。寿司と焼き肉専門のバイキング。 ファミリーレストランでのバイキング。 小さな定食やさんのお惣菜バイキング。 常日頃から私は思うのは、 安い店は、客も安い。 安いバイキングの店には、客質も安い、さらに卑しい。 ホテルのバイキング料理は客質もまずホテル代を払っていることが前提なので、 おしとやかだ。年齢も高い。 バイキングだそれっ! 競争だ! これは戦いなんだ! みたいな殺伐としたものはない。 私が見ていて、こんな大馬鹿野郎は来るなといいたいのは、 学生みたいな男ども3、4人で、 野菜を取ったら負けみたいな、 調子に乗ってフライものだの肉をてんこ盛りしたあげく、 「もうくえねーよ、おまえ食えよー」 「俺も腹パンパンだよー」 「もう、いらねーよー」 「もういらねーよー」という禁断の言葉を吐き、 自分で盛り付けた皿がてんこ盛りのまま、 椅子にふんずりかえっているのが腹がたつ。 私に言わせれば、ガンガン食おうぜ!!  などと、カレーからパスタやら、サラダやら、もう、ふだん味わったことのない 料理という料理をひととおり食べ、デザートのフルーツまで、食いつくす! 見ている私が、うん、うん、よかった、よかったと、涙するような、 バイキングには、大げさだが、品も大事だが、 こうしたちょこちょこといろんな料理を総ざらいするような、 感動も必要なのだ! さきほどの大馬鹿野郎も残すのはある程度しかたがないにしても、 肉類ばかりを取って、てんこもりで残すところが、みにくい。 じゃあ、私はどうかというと、 大好きなホールコーンをてんこ盛りで、お椀いっぱいで食いたいのだが、 肉や刺身類ではなく、「バイキングにきてホールコーンかよ」といわれたくないがため 人目が恥ずかしく、それができないのが、 我ながら、情けない。
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