怒りのポイントカード

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どこのスーパーでもどこのお店でも、 「〇〇カードをお持ちですか?」と聞かれてうっとうしい。 なかには「〇〇カードか、〇〇サービス券、〇〇クーポンはお持ちですか?」 と、きかれ、聞いたことのないカタカナだけで、 レジの方には申し訳ないが、ただただ、うっとうしいのだ。 が、そんなとき、ツ〇ヤで雑誌を買った。 レジで支払い。あ、そういえば、この店はTポイントカードだっけ、 「あ、これ忘れてました」とカードを出した。 レジで対応していた若い男性店員さんは「え・・・」と口ごもる。 「あ、使えないんでしたっけ?」 「いえ、もういちど、お支払いをし直さなければならくて・・・」 その若い男性店員は、そのやり直し方法がわからず、隣のレジの女性に尋ねようとした。 そのレジの女性はお客対応しており、 その若い男性は、さらに奥のレジの女性店員の助けを求めた。 その女性店員はアタシの客じゃねーからなみたいに目を合わせない。 こんなとき、私がレジの女性なら 「お待たせして申し訳ございません。せっかくのTポイントをご利用いただいたのに、 言葉が足りず、お手数をお掛けしてしまいました」 などというな。 こういうときに限って、客がレジにやってきて列ができる。 嫌味ったらしく店内放送でレジの応援アナウンスが流れた。 すると、私はただのクレームをつけたやっかいな客となり、 並んでいる客やその相手をする女性店員にも、いやな客となってしまった。 500円そこらの雑誌につけるポイントなんてたかが知れている。 若い男性店員さんがあらかじめ 「Tポイントカードありますか?」と、きいてくれりゃあいいじゃねーか、と思う。 なんと、若い男性店員さんは店員の初心者らしく、 私の払ったお金をテーブルに戻し、 はい、お金を戻しました、 次に、雑誌を袋からだし、買う前の状態に戻しました、 次に、Tポイントカードを読みました、 次に、はい、お金を受け取りました、 と、手順をていねいにしめしながら対応した。 私もその動作にしたがいながら、はい、見ました、はい、確認しました、と首を振る。 私にはこのポイントの爪のアカみたいなのが、 積もり積もって、 500円の雑誌が無料になる時を楽しみにしている庶民なのに、 この私の意地汚さが悪いのか。
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