怒りのガ〇ト

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お昼のランチにガ〇トに入ったときの話である。 その日、財布を忘れてしまい、車の小銭を集めた538円で店に入った。 ガ〇トなら500円のランチメニューがある。 それを注文し、 まるでもれそうなときのトイレに入ったかのように、一息ついた。 しばらく落ち着いてあたりを見ると、 女子高校生7、8人がメニューとにらめっこしているのが目についた。 顔が「普通の子・じみタイプ」のグループだ。 メニューが決まらないらしい。これは仕方がないこと。 むしろそれが楽しかったりするのものだ。私は一人うなづいた。 こうしたグループは値段の基準、好みの基準。 特に、じみタイプは誰が最初に決めるかがポイントになる。 一人変わったものはたのめない。かといって、誰かが率先して注文もしない。 積極的に注文するとグループのルールに反するのだ。 じみタイプ女子高生にとって、とにかく「おいしそうなもの」。 食べてみなきゃわからないのに、そのあいまいな判断がお互いをけん制しあうのだ。 500円の日替わりランチを頼んだ人がいたら、 700円の和定食は頼みづらい。えー和食ぅー? 700えーん? ねぇ、どうする? これにする? えー? それにするのー? そのうち私が注文したランチがきて、 それを食べながら、女子高生たちをながめていた。 ランチを食べ終えても、まだ女子高生はメニューに迷っていた。 しばらくして、 店員を呼ぶブザーが鳴る。先ほどの高校生がメニューを決めたようだ。 店員がきて対応する。またブザーで店員を呼ぶ。 さらにブザーが鳴り、女子高生が呼んではひとつたのみ、呼んではひとつたのむ。 店員さんがあたふたと走り回る。見ていてしのびないのだ。 先ほどの女子高生はメニューを決めたのはいいが、 みんなの金額や量、好みのバランスを取ろうとして、追加注文を個別にしているのだ。 さらにみんながつまめるものまで決めようとしている。 ブザーが鳴る。あわてる店員。またブザー。 まるでブザーのボタンが、ゲームボタンのような感覚なのか。 ガ〇ト・・・安くて助かるけど、 やっぱり、安い店は、客も安い。
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