ガラスの魔女

第2章

「身体を小さくしたから魔法の力も小さくなってしまったんだわ…！」
そう気づいても後の祭り。
身体を大きくする魔法はかなり難しいのを彼女は知っている。
妹のセアラですら3日に1人しか戻せないようだった。
そういえば今まで小さくした人たちをシルキーユ自身が元に戻してやったことはなかったと気づく。
どのくらいの力を要するのか、よく分からない。
「セアラが3日、力をため続ければ戻せたように私も何日か魔法を使わなければできるかしら…」
しかし食べ物は毎日必要であり、ため続けることなどできない。
「また冬が終われば村人も帰ってくるし、城の者も見に来るみたいなことを言ってたわね。それまで堪えればいいのよ」
彼女は2ヶ月、そのままでいることにした。