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「私はここよ!早く城に連れ帰ってちょうだい!」
さすがにこのままにはしておかないだろうとシルキーユは使いの者に大きく手を降り声を荒げた。
しかし使いの者は足元のシルキーユに全く気づく様子がない。
「寂れた村だとは聞いていたが家すら見当たらない。こんなところに一人でいるのが耐えられなくなったのかもしれないな。ここは王都も近いしそっちにいるのかもしれない。見に行ってみよう」
使いの者は馬に飛び乗った。
「ま、待ちなさいよ!!」
シルキーユは慌ててその馬の脚に飛び付いた。
そのままよじ登って使いの者の目に入るところまで行こうとする。
しかし使いの者はすぐに馬を走らせ始めた。
王族の嗜みとして乗馬を得意としていたシルキーユだったが、小人のような大きさでは振り落とされないようにするのが精一杯だった。
何とかお尻の辺りに乗って姿勢を低くししがみつく。
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