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「シルキーユは歴代の中でも指折りの力を持っているというのに…なぜこのように育ってしまったのか」
茶色の長髪に同じ色の髭を蓄えた、40代くらいの男性がため息をついた。
その座る椅子は座椅子部分に滑らな赤い布が張られた金の椅子。
背もたれの上部分は宝石で飾られている。
いわゆる、玉座である。
彼は大国、ノアール王国を統べる正当な王。
ノアールの王族は決まって魔法と呼ばれる力を使うことができる。
特に女性に力が強く出るのと、最初に生まれた子に強く魔法の力が遺伝することが多い。
彼の第一子である長女・シルキーユは非常に強い魔法の力を受け継いで生まれてきた。
御年17歳。
本来であれば婿を取り、この国を治める準備をする年齢だ。
出産で政治が滞らぬよう、10代の内に結婚して子どもを産み、30前で王位を継ぐのが慣例である。
シルキーユの母は前王の長女であり、現王もその従兄にあたる。
強い血の力もあり彼らの子どもたちは3人とも強大な力を宿していた。
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