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「王妃よ、この決断に悔いはないか」
王の視線の先にはちょうど玉座の間に入ってきた同じ年くらいの女性がいた。
王妃と呼ばれた彼女はシルキーユの母。
王と同じ茶色の髪に空のような明るい青の瞳。
白い肌は陶器のようで、顔立ちは美しい。
「今回のことはやりすぎです。これ以上彼女のせいで城の者が消えてしまえば国が立ち行かなくなるでしょう。妹のセアラも私以上の力を持っています。王位はセアラと婚約者のヴィッツに任せれば大丈夫でしょう」
白磁の顔は悲しそうに歪んでいる。
「そうだな…。いくら娘とはいえ、このままにしておけん。追放の手続きを取ろう」
こうしてノアール王国の第一王女、シルキーユは国を追われ隣国へと向かうことになるのである。
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