第1章~何処へ~

2/40

17人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
残業を済ませて待ち合わせ場所に着いた私だが、待ち合わせ場所に拓哉の姿はなかった。 私は冬の寒空の中、外で待っているのに堪えられなくなり、拓哉が何処のスタバか喫茶店かに入って待っていると思い、拓哉のスマホに電話をかけたが、電話の向こうから聞こえるのはコールがされる事もなく。 「おかけになった番号は電波の届かないところにあるか電源が入っていないためかかりません…」 という女性の声が聞こえてくるだけであった。 (どうしたんだろう…?) この時は、あまり深く考えなかった私は、とにかく待ち合わせ場所の近くにあるスタバやドトール、喫茶店などを手当たり次第に探して回ったが、拓哉の姿を見つける事はできない。 私は仕方なく拓哉の自宅へ向かったが、自宅にも拓哉の姿はなかった。 「拓哉…何処…何処に行ったの…」 私は胸を締め付けられる思いにかられるが、拓哉の姿を見つける事ができずに、仕方なく帰宅したのである。 自宅のマンションに帰宅した私は、リビングにあるソファに腰を降ろすと、横にあるクッションを抱き抱えると、そのままゴロンと、横になり天井を見つめながら。 (どうしたの…拓哉…何処に行ったの…何があったの…何か私は拓哉に気にさわる事をしたの…) そう私は拓哉の事を思い、何が起こったのか、何か拓哉にしたか、拓哉に嫌われる事をしたか、考えを巡らすが何も思い出せないで、何が何だかわからなくて、次第にイライラがつのり、そして私はソファから立ち上がり、クッションを壁と投げつけると、スタスタとキッチンへといくと冷蔵庫を開けて買い置きしてあったビールを開けて一気に飲み干し、更にもう一本と開けて飲み干し、気づいた時には、ソファに横にってテレビがつけっぱなしの状態で既に深夜番組が映し出されていて、私はテレビを消すと、そのまま寝室に向かいベットへと潜り込んだのである。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加