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一気に静まり返る病室。
聞こえるのは真治の身体についている
装置の機械音だけ。
「お義母さん・・・・・・すっげぇな・・・・・」
扉を見つめていた大林氏が、やっとで言葉を発した。
「そうでしたね・・・・・・」
それに付き合い返事を返した。
「さっきの話しじゃ、お前、あのお義母さんに・・・・」
言葉を選ぶように、発言が止まると
「あたしが目を覚ましたあと
お義母さんとあたしだけの時に言って来たんです。
もし離婚したら
真治の生きる糧を失って死んでしまうかもしれないって」
真治の顔を見て、そう答えると
「お前の幸せは無視なんだな・・・・・」
遣り切れないように話す大林氏。
「自分の息子が、生きるか死ぬかって時には
嫁の立場なんてあってないようなものですよ」
結婚しても仲の良い嫁と姑はいるのかもしれない。
でも、あたしとお義母さんは
結婚する前から仲は良い方ではなかった。
大事な、可愛い息子を取られる気持ちからか
あたしには他人の扱いをし続けて来た。
真治が浮気してたって知らされた時も
悪いのはあたしだって言われた。
あたしがしっかりしていないから
あたしが魅力がないから
そう言って、あたしを非難し続けた。
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