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それぞれの時計が動く時 1-1
---------5年前の5月某日。
今日は、あたし達は結婚式を挙げる。
人生で一番
花嫁のあたし斎藤由美が華やかに輝く日になるはずだったのに。
「なぁ!いい加減機嫌直せよ・・・・・」
ため息交じりに、あたしに話しかける真治を横目に
「易々と機嫌が直る事だと思ってるの?」
訝し気に左ハンドルの運転手の顔を斜め見る。
__キュイーーーー!
と、タイヤが鳴る音が耳をつんざく様に響いて来た。
____ドォーーーン!!!
身体が揺さぶられる程の衝撃を受けて
"ぶつかったな"・・・・・・・
そう感じながらも、体じゅうに痛みを受けて
あまりの痛さで、そのまま意識を手放した。
この事故がきっかけで
あたしは背骨が傷つき、
歩く時に少し足を引き摺らなければ歩けない体になり
真治は、あの事故の日から
いつまで経っても、目を覚ます事がなかった・・・・・・・・
***********本文より抜粋*********
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