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午前の業務が終わるチャイムが鳴ると
途端に俺の周りに女衆が群がり始めた。
隣の総務課だけではないようで
他のフロアからも来ているのか結構な人数。
「大林さん、食堂にご案内しますわ」
ボリューミーな胸の持ち主の女の子は
自分の魅力は胸だとわかっているかの行動
即ち、俺に自慢の放漫な胸を腕に押し付けるように
自分の腕をからめて来る。
「あ、俺今日は約束があるから!」
からめられた腕をそっと外し
彼女達にバイバイと手を振って拒絶すると
「えぇーーー」と不満の声を投げられた。
俺が部署を出ようとする時
斎藤も、同じくらいの年代の女の子と一緒に
部署を出て行くようで
同じタイミングでパーテンションのそばに立った。
「あ、お先にどうぞ」
自分の歩くペースは遅いと自覚しているからか
俺に先に行けと促すけど
「そこ、大丈夫?
手を貸そうか?」
先ほど、早乙女が手を貸していた階段を指差して
彼女に聞いてみると
「大丈夫です、彼女がいてくれてますから。
心遣い、ありがとうございます」
笑顔はなしだが、嫌味のない言い方で伝えてくれた。
「ん、わかった」
俺も、先輩を待たせているからと
彼女達の横を通り過ぎて
足早にエレベーターホールまで急いだ。
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