それぞれの時計が動く時 1-1

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「お待たせしました、小栗さん!」 俺をこの会社に引っ張ってくれた 3つ上のイギリス時代の大学の先輩、 小栗桐吾さんと1階の玄関前で合流し 先輩の案内で 上手くて早いと言う食堂に連れて来てもらった。 「どうだ?淳」 彼は同じ会社と言っても、企画課の部長で 俺とはフロアも仕事でも絡みはない。 「まだわからないけど、でも大丈夫そうです」 仕事内容は、今までいた会社と同じだから そんなに不安はない。 あるとすれば、以前の会社を辞めた原因とも言ってもいい 人間関係の方で・・・・・・ 俺は、イギリスにいた以前の会社は 社員同士のいざこざに巻き込まれて辞めた。 辞める際に、たまたまイギリスに旅行で来て 偶然再会した小栗さんに愚痴ったのがきっかけで 俺はこの会社に入る事が出来た。 そろそろ、日本に帰ろうと思っていたタイミングだったし 全てがちょうど噛み合うタイミングだったようだ。
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