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「あたしは許さないわよ。
絶対真治とは離婚させませんからね！
由美さんにもお願いしたでしょう？
あなたに真治と離婚しないでくれって」
周りが見えなくなったようなお義母さんの口から
止めどなく言葉が溢れる。
「どういう事？お母さん」
そんな話しはあたしからも
もちろんお義母さんからも聞かされていない若葉さんが
お義母さんの両肩をつかんで揺すると
「だって、離婚なんてされたら
真治が死んでしまうかもしれないじゃないの！」
叫ぶように話すお義母さんの声で
近くを歩いていた看護師が中に入って来た。
「どうされたんですか？」
看護師に問いかけられたって
「あたしは許しませんよ！
絶対、離婚なんてさせませんから!!
あなただけ幸せになろうなんて、許せるわけがないわ！」
憎悪に満ちた目であたしと大林氏を見る。
怖くて震えるあたしを
隣の大林氏が抱き寄せてくれるけど
そんな姿を見せられたお義母さんは、さらに激情する。
あまりにも興奮状態に陥ったお義母さんは
看護師が押したナースコールで駆けつけた医師と
他の看護師に支えられて病室から出されて行く。
それに付いて行こうとする若葉さんが
「ゴメンね由美ちゃん、大林さん。
ちょっと母を宥めて来ます。
由美ちゃん、ゆっくりと話を聞かせてね」
そう言って、先に出て行った一向に追いつくように
廊下を走って行った。
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