それぞれの時計が動く時 1-1

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音の大きさで、自分達のすぐそばだと感じたあたし達は 目の前のフロントガラスに目を向けると 自分たち目掛けて、 白いセダンがスピードも落とさずに向かって来るのが見える。 未だにシートベルトと格闘していた真治は 咄嗟にあたしに覆い被さり 愛想が付いたはずのあたしは 思わず抱き着いてしまっている。 どう考えても逃げ場がない。 こちらは止まっている車に対して あっちは、明らかにスピードをさらに上げて向かって来る。 ____ドォーーーン!!! 身体が揺さぶられる程の衝撃を受けて "ぶつかったな"・・・・・・・ そう感じながらも、体じゅうに痛みを受けて あまりの痛さで、そのまま意識を手放した。 あたしに痛みが走ったと言う事は あたしを庇う様に覆い被さっていた真治は きっともっと衝撃をモロに受けているはず・・・・・・ 遠くなる意識の中 キャンセルする気だった癖に "あぁ・・・・キャンセル料が・・・・・・" その言葉が頭の中に浮かんでいた事は すぐさま自分の記憶の中から消えて行った・・・・・・
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