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時間を置かずに駆け付けた松本医師に
心の中で"廊下を走ってはダメですよ?"とつぶやいた。
そんな事を思っているともつゆ知らず
松本医師は、
「どうですか?痛みはありますか?」
体じゅうを確かめるように触りながら聞いてくる。
「ここは・・・・・・病院ですか?」
ナーススタイルに、
松本医師は手術着を着ている姿を見せられれば
いやでもここが病院だとわかるが
一応確認の為に聞いてみた。
「そうですよ、病院です。
あなた達ご夫婦が乗られていた車に、他の車が突っ込んだんです」
松本医師の話しで、すべてを思い出した。
「真治は?
一緒に車に乗っていた真治はどうしたんですか?」
体を持ち上げて松本医師に問いかけた途端
激痛が体じゅうを駆け巡って、またしても
「___っう!」痛みに悶えた。
「まだ起きちゃダメですよ!
あなたは背中をひどく打ち付けてます。
骨折等はありませんでしたが、しばらくは動かさない方がいいです」
左手に打たれていた点滴に
注射器で何かの液体を打ち込んで
「痛み止めも淹れておきましたから・・・・・」
痛み止めを打ってくれるのなら
じかに腕に打ってくれればいいのに・・・・・
事故の記憶を取り戻したと同時に
真治に裏切られた事実も思い出したわたしは
助けてくれた医師に
そう心の中で罵ってやっていた・・・・・・
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