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-------5年後---------------
「今日からお世話になります、大林淳です。
よろしくお願いします」
大きな会議室に集められた社員を前に
俺は緊張しながらも挨拶をして、頭を下げた。
「大林君は、結構優秀なSEだと言う事は
みんなも知っていると思う。
これからは、みんなも大林君に負けないように頑張ってくれ」
隣に立つ、俺の上司田中部長が締めくくり
俺の自己紹介を兼ねた朝礼が終わった。
会議室から自分達の部署まで戻る時には
俺の周りには、目をハートにした女性が集まる。
中学の頃から背が伸びて来た俺は
イギリス人の祖父を持つクウォーターの血筋からか
結構イケメン部類に入るらしくて
こうやって女の子に囲まれる事にも慣れている。
「大林さんって、イギリスから来られたんですって?」
「こちらの会社にはどうしてはいられたんですか?」
「もうお引越しは済まされたのですか?もしまだならお手伝いでも」
俺の事なんて放っといてくれよと内心毒づきながらも
「この会社には、先輩に誘われて入りました。
引っ越しも済みましたので、心配ご無用ですよ」
面倒臭いから、質問をいっぺんに済ませて
おまけで微笑みかけてやれば
俺の周りにいた女性陣達が、呆けた顔で俺を見ている。
・・・・・・・いや、違う。
ひとりだけ、こちらを不審な目で見ている女がいる。
少し足を引きながら歩く彼女は
みんなよりも遅れて歩いて付いて来ていた。
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