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彼のかつての友人が言ったそうだ。
"飲み物を買ってこい"
彼は飲み物を買ってきた。飲み物にお菓子を添えて、持ってきた。
「お店の人がくれたんだ、サービスだって」
小豆程の小さな粒は、ラムネ菓子のようで、友人は気が利くじゃないかと粒を口にほおり、飲み物で飲み込んだ。
"腹の足しにはなんねぇよ"
そう言って彼を蹴り飛ばした友人は、そのまま仰向けに倒れ、二度と起き上がらなかったという。
「ぼくの目的は達成したんだ。あいつだけじゃない、他の奴らも同じようにして、やっつけた」
やっつけた、なんて正義ぶった言葉でまとめていいものではない。僕の背筋に悪寒が走る。
「あと二粒、残っちゃったんだ」
「どこで手に入れたの」
僕の声は低かった。寒気がしておさまらない。
「それを知ってどうするの?」
彼が持っている瓶の中身を適当に捨てたとして、もしまた誰かに拾われては意味がない。彼が手に入れた場所で他の誰かが同じような物を手に入れてしまってもまずい。
これが連鎖になっては、いけない。
僕は気付かなかったけど、クラスメイトが数人いなくなっていた。先生の話はまさにその事だったのだ。
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