鳥の花

はじまり、はじまり

朝の教室
私はいつもの席に着く。
諸次は眠そうに隣に座っていた。
「おはよう」
「おはよう」
簡単な挨拶に簡単に返ってくる一言。
簡単な関係なのかな。
私は要らない紙を探し出し。
『おはよう』と書いて渡してみた。
「水連あなた面白い人ね」
「そんなことを言われたのは始めて……なにやっているだろね」
諸次はクスリ笑い『おはよう』と裏に書いて返してくれた。
その夜
私は勇気を出して電話をかけようしていた。
朝の紙切れ……いいえ、宝物を見ながら。