散る桜、残る桜も散る桜

4/6
前へ
/6ページ
次へ
「子供が出来たら皆で来たいな」 姉が言った。 私は結婚一年目、姉は結婚三年目であるが子供はどちらにもまだいない。 この花見スポットは、実は私達一家の散歩ルートである。 父と母と姉と私。いつもこの道を一緒に歩いていた。 そこに姉の夫と私の夫、姉の子供と私の子供が一緒に歩いていたら、それはどんなに幸せな光景だろう。 祖母は、祖父は、子供が産まれるまで元気でいてくれるだろうか。 昨日見た祖母は酷く衰弱していた。 昨日見た祖父は焦点も合わずぼーっとしていた。 そうだ、感傷的になってしまう理由はそこなのだ。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加