あたしが手にいれたもの。

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保育園に迎えに来るおじいちゃんは、とても優しく静かにいつも微笑んでいた。 大人になって気付いたこと。 それは、ただまっすぐに優しくあることの難しさだ。 おじいちゃんは、その強さを持っていた。 あたしの環境を知っていたおじいちゃんは、 あたしにきれいなお水と、少し古くなったごはんをむすんで押し入れに持ってきてくれた。 おばあちゃんやあたしの親にばれないようにこっそりと。 あたしは保育園にはほとんど行けなかったけれど、おじいちゃんは、毎日迎えにきてくれた。 それだけで幸せだった。
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