第1章
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「では、失礼します。」 「は?ちょっとまて金田。どういうこ」 プッ 耳元の雑音を止めるには親指だけで十分だった。 平営業の金田はついに課長に不満をぶつけた。 大手食品関連会社…とはいうものの、聞こえがいいだけで実際は下請けの吹けば飛ぶような会社員である。 そんな彼が辞めますと伝えたのは、入社して3年が過ぎた7月のことだ。
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